垣谷美雨著‥‥‥「あきらめません」
同世代の、同様の気持ちを、これほどまでに代弁してくれて、
なおかつスカッとさせてくれる著者!
スカッとしつつ、相手にダメージを与えることもない。
罪悪感が後からついてきたら、後味悪いから、そこも心配ない。
「あきらめません」のタイトルだけでは、手に取らないけれど
垣谷美雨女史の作品なら読む!
主人公夫婦は定年を迎えて、都会から田舎(夫の故郷)に移住。
そこは男尊女卑がまかり通る、昔ながらの地域。
男尊女卑の感覚は高齢者だけじゃない。しかも男性だけじゃない。
そして、一番信頼したい夫の根っこさえ、男尊女卑?
わたしを助けてくれたのは、介護のエピソード。
わたしと同世代の女性が、大家族に嫁ぎ(この言葉すら好きではないが‥‥)
祖父や祖母の介護を任され、当然のように義父も義母も介護で看取る。
その夫は、妻の求めを無視し、何の手助けをすることもなく‥‥‥
結婚して新たな家族を作るはずが、
大家族という旧態依然とした地域に飲み込まれて疲弊していく。
大家族でなくても、わたし世代は、男尊女卑!の考え方が染みついた男性が多い。
(情けない事に我が家もそうだった!)
そこを主人公は、ばっさばっさと切り捨てて‥‥( ´艸`)‥‥‥は無いけれど、
理解者や仲間を動員して、推し進めていく。
年齢や経験を問わずに、得意分野で各々の力を発揮する姿は、同性として痛快。
誰かを支えるのは、男女どちらでもいいはず。
ここでも、コミュニケーション不足が問題になる。
この著書のお陰で、わたしの罪悪感が消えた。
介護はその道のプロにお任せしよう。
それにつけても、高齢者を受け入れる施設の少ない事か!
心が救われたと思ったら、現状は厳しい。
加えて、人口の半分が女性なら、政治経済の場でトップに立つ人材も
男女半々は、当たり前。
徐々に変化はしているが、世界的に見たら、情けない状況。
ここは、本誌のように
「クウォーター制」導入を願ってやまない。(*´艸`*)