実家に帰って家電がなると、また電話セールスかなと身構える。
以前 母は "オレオレ詐欺" の電話を受けてから、留守電設定にしていた。
肝心の留守電を確認する術を知らず‥‥( ´艸`)‥‥‥
「チカチカしているのが、気になる。」
と、解除。
2~3日に一回は、早口のセールス電話がかかって来る。
91歳の母が、骨折により入院して3か月が過ぎた。
それでも、帰省すると電話はなる。
母の友人だった。
御年95歳。
「まあ、あれからどうしたこんでと、まいんち(毎日)気にしていましたて。」
お礼の言葉と共に、現状をかいつまんで説明する。
あれ?‥‥そうだ、耳が遠い。話が、どっちに行くんだろう?
「可哀そうなことしたね。」
と、元に戻る。
「わたしの方が年がいっているのに、切ねえて。」
「わたしなんか、眼がわ~る(悪く)なって。もう片目が見えねえし、もう片方も霞んで見えにくいし、手術しろと言われてんだて。」
「95にもなって、いてえ(痛い)思いすんのはヤダ(嫌)こてね。」
「こんがになってまで、長生きすっとは思わんかったて。」
「まぁ、80位で逝けばよかったと思うのう。」
「長生きなんかするもんじゃねえわ。」
母と同様の嘆き節に相槌を打ち続け、再び母の状況確認をされた。
- 入院3か月が過ぎて、退院を促されている事。
- 筋力が落ちて、一人では立ち上がれない事。
- 今月に入って、2回の酸素吸入が施され、施設の入所が保留のままだという事。
状況からして、別の病院への転院を勧められ、
行く場所を探している最中とお伝えすると‥‥‥
「わたしの兄も、入院3か月で行く場所を探している最中に亡くなったて。」
ひえっ!と思ったが、素直なお言葉。
何があってもおかしくはない。
この母の友人、腰が曲がり(骨粗しょう症)、あまり歩けない。
糖尿病や他の持病も抱えている。
八十代後半以降の高齢者が口にする "長生き嘆き節" は、
どうやら80代の前半から半ばにかけて、
身体が思うように動けず、身体の至る所で不具合が悪化していく嘆き。
ある程度身体が動かせて、体調管理が出来ていたら、
そこまで精神的に追い込まれずに済むのだろう。
肝に銘じなければだ。