垣谷 美雨 著‥‥‥
「行きつ戻りつ死ぬまで思案中」
著者の作品を初めて手にした時は、ほくそ笑んだ。
次々と別の作品に手を伸ばし、何度も溜飲が下がった。
そうだ!今は、戦後どころか昭和でもない!
わたしが口にした「卒婚」を、とっくに忘れた夫に気を使ってしまう。
体調が悪いと言いながら、基本的な生活習慣を守ることも出来ず、
彼のその場しのぎの生活スタイルは、もう変えることは出来ない。
片手にスマホか、PCを開き、TVをつけっぱなしで、
1日中世界のニュース(主に中国)を追いかける。
「粗探し」の結果を、斜め上から
「知ってる?」
で、話始める。
聴きたくない日本の企業や人物、中国のあれこれを罵倒する。
‥‥‥それ、単に怒りをわたしにぶつけているだけ‥‥‥
知らない事を、「無知」と鼻で笑う。
ニュースの洪水にどっぷりつかっている夫の状況は、正常?
著書に、”世界は二つの領域に分かれている” との紹介がある。
”自分がコントロールできる領域”
”自分にはコントロール出来ない領域”
ニュースの洪水に溺れたくはない。
悲惨なニュースは、わたしが何もできないという負い目に加えて、鬱々。
寄り添ってしまう性格にとって、あえてニュースを避けて身の回りの問題解決に取り組むことがなぜ無知につながるのかな?と思っていた。
著者同様に、母親・妻としてあるべき姿を自分で描いて、
常に家族の快適さに寄り添い、自分の時間だけでなく心身を削ってきた。
著者と違い、専業主婦を強いられて、より完璧を求めていた。
もう、下働きに疲れたんだよ~~
以心伝心!無理!
令和の今、ようやくわたしのモヤモヤが晴れてきたが‥‥‥‥
夫は一人、昭和を生きている。
最後に著者が、
「こんな私的な話、誰が読むんだろう。」とある。
わたしは共感と歓喜で、救われた!