気分転換とか、ストレス解消とか、いろんな場面で
読書に救われてきた。
乱読の有難さは、今、身に沁みる。
わたしを助けてくれるのは、ミステリーだけではなかった。
町田 その子 著‥‥‥‥
「あなたはここに いなくとも」
5つの短編が、優しく語りかけるように、心をほぐしていく。
何時の時代も、どこかに居そうな芯の強い人生の先輩。
頑固で意固地に思えた母が、なかなか "いい奴だったな” なんて思えてくる。
あれほど、友人知人、親戚縁者の悪口を吐き続けて、
「おれの家があるんだから、帰りてえこてね!」
とごねまくっていた人が、
5回目の入院(7回目の入院中に他界)の頃から、お世話になった人達への
感謝の言葉が出る様になり
「頑張って生きてきたね。」
わたしの言葉に、素直に応じていた。
人として真摯に生きていったら、
助けてくれる出逢いと、助けになる出逢いに小さな勇気が湧いて、
少し前に進める気がする。
今は、身体だけでなく、心も優しさを求めている?
かたくなな、心を溶かすことも出来る読書に、感謝。