中山 七里著‥‥‥‥「ドクター・デスの再臨」
前回のお話で、ドクター・デスは意外な人物とわかり、
その真摯な態度に共感があった。
わたし自身も「死を選ぶ権利」はあっていいと思っている。
ただし、環境や立場や状況で、本人を安楽死へと導くことは絶対犯罪!
と断言できる事態もある。
だから、本当のところ、解らない。
半年前に他界した母は、90代で自分で動くことが出来なくなり、回復の見込みがないと自覚したころから、
「こんな体になってまで、生きていきたくないんだて!」
と、嘆き続けていた。
生死を彷徨う大きな手術の後、人工肛門が増設され、自分で処置出来ないどころか、
歩くことさえできなくなって、世話好きだった性格の分だけ、自分をまるで不用品
扱いしていた。
「もう、終わりにしたいんだて!」
と言いつつ‥‥‥(*´艸`*)‥‥
「まぁ、美味しいのう。」
と、”たい焼き” やら "アイスクリーム” "西瓜" を嬉しそうに口にしていた。
薬の力で、肺に溜まった水を排出させ、クスリの力で心臓に刺激を与え
限界まできて‥‥‥‥逝った。
この1年のわたしの心労は、母との語らいで救われたから、幸運だった。
高齢でなく、子供だったり現役世代だった場合を考えるだけでも苦しい。
家族はもとより、本人だったらと想像するのも恐ろしい。
諸外国で容認されているとはいえ、その背景にある歴史や文化宗教の違いは大きい。
一概に、善悪は決めかねる。
解決がどこかに存在するのかと、モヤモヤが広がっていくばかり。
わたしは少しでも、自分で考えて動き回ることが出来る時間を大切に、
そして長くを心がけるしかない。