「早朝に起きて出勤して、マラソン(仕事の一環)して朝ごはん食べて‥‥‥
若かったよなぁ。こんなに、身動き取れなくなる日が来るとはなぁ。」
「どうして、こんな風になったかなぁ。」
夫のつぶやきは、
5年前に見送った叔母夫婦の言葉や、
昨年見送った母の言葉に重なる。
人は、わが身に起きてようやく「老い」を実感しつつ、
老いて倒れたり、老いて入院や手術体験をして、筋力が落ちて
思うように動くことが出来なくなり、ようやく現実を受け止める気になるらしい。
夫は「肺気腫」で20日間に及ぶ入院生活で、筋力が低下したのはもちろん、
肺の穴が塞がっても、肺機能そのものがさらに悪化した。
動きの鈍さも、息苦しさも、頑張ればなんとかなる状態はとっくに終了。
年末の一泊二日の長距離移動、2月早々の早朝発深夜帰宅の日帰りの "つけ" が
今集約されて、体調が今までで一番悪いのかもしれない。
レンタカーを10日間使用して、雑用をこなすと計画していたが、
利用料の半分でわたしが足になって正解だった!
移動の度に肩で息をして、1日一つのことをこなすだけで、疲労困憊。
雑用の当日はおろか、翌日もほぼ横になって寝ている。
今日は、歯科医院で2本の抜歯。
36㎏の体重を維持したくても、抜歯の痛みと出血で、食事もままならない。
彼の一番輝いていた時に出会ったわたし。
傲慢とも思える自信は、跡形も無く消えて‥‥‥
「一生大切にする。」
と言った彼が、やせ衰えて緩慢な動きで、紙パンツを愛用するようになり
なんとか食事をして、いつの間にか眠りこける日々。
いつもお世話してきたのはわたしだなぁ。
大切にされた実感がないまま36年経過‥‥‥‥