「もう、立っているだけで精一杯だよ。」
「どうしてこんなことになったんだろうな。」
「ポット(保温)が重くて、大変なんだよ。足は動かないし‥‥」
二十日間の入院後の夫の動きは、驚くほど緩慢になった。
ぶつぶつと呟くことが増えた。
先日気が付いたのは、洗面所に立って歯磨きが出来なくなっていた夫。
段ボールに発泡スチロールを入れて、補強した(?)自作の椅子に座って歯磨き!
最近、洗面所の縁が水浸しの訳を知った。
彼は、汚したから拭いておこうとは思わない人。
以前は、歯磨きしながらウロウロするから、歯磨き粉が床に落ちていた。
何度も、指摘して‥‥‥伝わらなかった。
伝える必要がなくなったのは、少し楽かもしれない。
「どうしてこんなことになったんだろうな。」
との返事は、時間の管理も自己管理も旨く出来ない、
自閉症スペクトラムが一因とは言えない。
「大変だね。無理しないで。」
と、顔を見つめたら ( ,,`・ω・´)ンンン?
夫の顔が、変わっていて、一瞬固まってしまった。
眼の周りと頬の肉が異常に落ちくぼんで、”お猿さん” の顔?
眼の白目部分が減って全てが黒目に見えるのは、変貌の原因だろう。
「若い頃は、海外を旅行して、年を取って動けるうちは国内を旅行したらいいよ。」
この言葉は有難い。
「動けなくなったら、YouTube があるから!」
と笑っている。
最近は、出来るだけ生活習慣を一般的な感覚に合わせ、ストレッチも始めた。
彼なりに一生懸命に頑張っている。
諦めない姿は、凄いなとは思う。