人生後半、遊び人

食べて飲んで、好奇心のまま動き回ることが大好き。

”メス”を実感・・・女の子・男の子

今86歳の母、生きていたら89歳になる父を両親に育てられた。
「女だから」「長女だから」と我慢とてつだいを要求されていた。
戦後の影も潜めたころに生まれたわたしにとって、何を古臭いことを言っているんだと反発して育った。

ヴォ-ヴォワールの”第二の性”の「人は女に生まれない。女になるのだ。」
 そうだったのか。わたしは、両親によって女に育てられたのか。と信じ、2年くらいの間、スカートをはかずに過ごした。(笑ってしまう!)

スカートをはかなくても、どこから見ても、わたし自身も女以外の何者でもなかった。
女が嫌なのではなく、女だからと男よりも下に捉えられていることに不満だったのだ。

いまだ根強い男尊女卑は、地方の墓の歴史にまでさかのぼったり、そもそもの種の保存を考えるとき、もっと議論されて時間が流れないと無理なのかもしれない。

 初めての妊娠は、風邪症状から始まり、24時間悪阻が出産まで続いた。体重増加などありえず、8キロ減って2キロ戻っただけ。妊娠を医師に告げられたときの驚き!!!

    わたしの中で、生物の受精卵が細胞分裂をして、日々わたしを侵食?占領?

 とにかく不思議な感覚で、身体が生き物の成長を拒否するかのように、食べる後から吐き、食べないと胃液を吐いた。自分の身体がコントロールできなくなるとこころまで侵食されていくように、内臓の様子を想像し生物のメスである自分を確かに感じていた。
 胎動が始まると、夜中におなかの皮を破り「ぎゃーあおー」の叫びとともにエイリアンが現れる妄想に取りつかれた。どんな生き物が出現するのかと怖かった。それは五体満足というレベルではない。
 ちなみに、子供は苦手だったので愛情を持って子育てができるかの不安も大きかったと思う。

 が、メスになったわたしは出産後、ようやく占拠から逃れた身体がすっきりして、脳内ホルモンが正常に働き始め、首をひねればすぐにも消える小さな命を目の前にして、この子を大切に守っていこうと思っていた。
 女の子の次に男の子を授かった。・・・・・そして気づいた。

      女に生まれ、男に生まれているよ!!       続