わたしよりも5年くらい早く結婚した友人がいる。
会うたびに、ご主人と結婚したことをどんなに良かったかを聞かされ、そのたびに「本心?」だろうかと、顔を覗き込んで確認する。出張が淋しいらしい。残業が淋しいらしい。
こんなことを口にする友人は、彼女以外いないが、彼女の話だけを聞いた未婚者は希望を持てるんだろうなとは思う。
ところが、初対面で結婚を申し込まれて、あれよあれよと出会い僅か2ヶ月足らずで入籍したわたしは、結婚してからダンナ君のいろいろを知ることとなり・・・
20年前は離婚を考えていたのに・・・3年前に新たな発見があった。
50歳過ぎてダンナ君を見直していた。
先の友人に、わたしも彼と結婚してよかったと晴れがましく伝えた。
それでは、こんな時どうする?と彼女。
夫と子供が海でおぼれています。
浮き輪はひとつ。助けられるのは、どちらか一人。
どっちに浮き輪を投げますか?
彼女いわく。「わたし、悪いけど迷わず夫だわ。」
わたし・・「ごめん、うちはどちらも泳ぎがうまいから浮き輪いらない。」
彼女・・・「泳げない前提だけど」
わたし・・「子供はわたしたち二人の大切な、命ををつないでゆく存在だから、子供に浮き輪を
投げる」「その後わたしも飛び込んで、ダンナ君と運命をともにするよ。」
なんだか、口にしてわたしって凄い!!
彼女・・・「そうゆう選択初めて聞いた。」
この凄い回答を、ダンナ君に伝えなくちゃと・・・・彼満足そう。そりゃそうだろと思いながら
気がついた。
小4の海で溺れかけ・・・溺死は無理だ。ごめん、力一杯「ありがとう」と叫ぶことにしよう。
ここは、彼には伝えなかった。 続