人生後半、遊び人

食べて飲んで、好奇心のまま動き回ることが大好き。

春のときめき 胸さわぎ

日本海、裏日本(この表現健在?)、雪国・・・生まれ育った地を客観視できるのは、別の土地で暮らさないと解らない。単純に計算しても15回は引っ越している。太平洋側で表日本で初めて冬を迎えたときの驚きは、”別世界”としか言いようがなかった。
 雪が降らないとか、暖かいとかじゃない。
 雪が降らないから、乾燥しているし、カラリとさわやか。
 曇っていないし、多少寒くても青空がある!!

 同じ日本なのに、信じられない驚きだった。
 どんよりと曇って、じとじとと降る雨が霙から、湿った雪に変わると、ゴム長靴を履いて足元を見ながら登校したものだ。北風が顔に当たり、傘もさせない日が続く。
 それが、ゴム長靴を持っている人はいなかった。
 下を見て歩く必要がなかった。

 それでも、春のにおいを感じると、故郷での春を思い出す。曇っていた顔が、にんまり。
 春が嬉しくて、顔がほころぶ。外に出て緑色の芽吹きを確認し、梅や桜がほっこり気分を運んでくる。
春・・・じっと待っていた甲斐があったと、弾んでくる。どうやらこんな感じは、雪国で育った者特有の感情だった。周囲の人たちから、彼氏が出来たかと勘違いされ、やたらと冷やかされていた。「よかったね」は、「よかったですよね」なのだが「おめでとう」は「???」

 春は心ときめく季節だった。

 さて今、40歳のホルモンバランスが崩れた時に発症した花粉症が、春を憂鬱な季節に変えてしまった。咲き誇る桜を恨めしそうに車窓から眺めるだけでも、どこからか運ばれてきた花粉に敏感に反応している。それでも、お天気に誘われて、平等院に出かけてしまった。(お天気というよりも、抹茶の甘味に誘われてかな)今朝は瞼がはれて、掻きむしりたい痒みにじっと耐えている。目薬が役立たない・・・・続