五感に関して女性は男性よりもはるかに優れていると確信している。
娘もその例外ではない。
都会に出て住居を決めるにあたって、音・臭いに特に敏感だった。
間取りや環境はよくても、金銭的にOKでも、臭いは譲れないと言い張った。
賃料を考慮すると築数十年経っていたら致し方ないのだが。
角部屋で、窓が二つあること、なにより女性専用のマンション（？！にしてはアパート寄り？）
に、比較的音や臭いの心配が薄いのではないかと妥協した。
彼女、田舎生まれの田舎育ち。勉強部屋と寝室は別だったし、地元出身ではない親達は、
とんでもない天井の高い家を建ててしまい、開放感一杯の家で育ったわけだ。
周囲は田んぼや畑、見上げれば中央アルプス。
水も空気も・・・恵まれていた。
都会のマンションもどきの閉塞感を多少感じただろう。
臭いは・・・建物だけではなく、街中が何らかの臭いを放っていた。
音は・・・都会だ。
何よりも、驚いたと連絡してきたことは、「男の人が住んでいる！」
「女性専用と銘打っていても、契約者は女性でも、
男性の出入りまで規制できません。」
住んでいても、出入りと解釈？！
「そんなもんだね。」
彼女も、ひとつ学んだ。
