冷え込みが酷くなる前に、老夫婦は施設に揃って入所。
暖かい部屋、施設内はどこも暖かい。
温かい食事が用意され、午前と午後に供されるお茶も、もちろん温かい。
当座の衣類を用意して生活が始まった。
多少の不安はあっても、日用の雑用からの開放は、安心。
費用が必要でも、病院への付き添いも、薬の管理も。
安心して、想いを馳せた。
困ったのは、仏壇と神棚。
住所はそのまま、いつでも帰宅可能。
ただ、今は寒い。
冷静に考えるほど、暖かくなっても、帰宅して以前の生活は出来ないと・・・
大切にしてきたご先祖のご仏壇。そして、神棚。
丁寧に、その処分を考えたい。
暖かくなって、春になって、それまでじっくり考える。
今までの思い出、これからの事、そして仏壇と神棚。