森下 香枝 著‥‥‥‥「無縁遺骨」誰があなたを引き取るか
92歳の母をサポートしつつ、
「老後の面倒を看てもらうために、子供を産んだんだこてね。」
母の言葉に、愕然としてみたものの、最近はなるほどと納得もしたり‥‥‥
子どもを持たなかった叔母が、母のことを
「あんたの事、初めての子どもで、すっごく大事に可愛がっていたさ。」
と話してくれた。
「子供が欲しかったて。」
との母のずっと以前の話も、全部本当なのだと思う。
その時々の本音。
年を重ねて、親を見送る年齢になった今、子供がいる事への安心感が生まれた。
人間として生れて、DNAを引き継げたとかそんなたいそうなことじゃない。
たとえ一人暮らしでも(老夫婦で暮らしているが‥‥‥)、一人じゃない安心感。
そして、この先わたしの骨を拾ってくれるだろう安心感。
が‥‥‥あの子達、どちらも
「誰かと暮らすって、どうかな‥‥‥‥」と。
どんな人生を選ぼうと本人の自由で、結婚もいろんな形が存在するが、
結婚したところで、いつかはどちらかが一人になる。
核家族化が進み、独居が増加し、高齢化社会を迎えて当然沸き上がった問題。
母の子供がいない友人も
弟さんに、死後の後始末(家屋の処分)を依頼して、まとまったお金を渡したが
先に他界されて‥‥‥‥
「この先どうなるこんで!」と、不安を抱えていた。
今、驚く速さで「無縁遺骨」が増えている。
財産を残して他界されても、正式な遺言が無かったがために「無縁遺骨」として
扱われるなどの、悲しい結果がルポされている。
そんな中、頼もしい地域も顔を出し始めた。
いつか、自分の最期の処分を申請するときがやって来る日が遠くないかもしれない。