人生後半、遊び人

食べて飲んで、好奇心のまま動き回ることが大好き。

刺さる言葉がある

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鏑木  蓮著‥‥‥「研修医ワトソンの追究」

 

読書の秋に、心を持っていかれる日々。

そして、乱読。

 

あちこちのジャンルをついばんでいる先には、ミステリー!

軽い気持ちで読んでも、その都度、心に刺さって来る言葉がある。

 

気の優しい若手のドクターが、ベテランの優秀な、尚且つ一癖も二癖もある病院長に育てられていく様が、面白くもあり嬉しくて‥‥‥( ´艸`)‥‥‥

しかも最後は、この院長が被疑者も被害者家族の心も救ってくれる。

自身も、好奇心を満たされ、研究の成果も手に入れる。

 

刺さる言葉の前に院長が、

「命は神のような存在」と捉えている事が‥‥‥理解できない。

命は、生物のDNAを後世につないでいく連鎖‥‥‥わたしの感じ方と?

 

院長は「人に1日でも1秒でも生きたい、と思わせる医者になるんだ。」とも。

ますます、理解できない。

 

理解できなくても、そんな思いを持った医療者が、存在するかもしれないと認識しておこう。そっちは、もっとあり得ないか?

 

ただし、

「苦痛があっても、それを制御できれば、

免疫系は最も活性化する。」

の、言葉は、強く心に刺さった。

強いストレスで、歯を噛みしめすぎ(就寝中も!)、

歯の痛みに苦しんだ経験が2度もあるけれど、

加えて手足の爪が変形していた経験もあるけれど、

制御は可能で恢復できる!どころか、アップデート可能。

 

強度のストレスも、まんざら捨てたもんじゃない。

 

もう一つ、別の外科医が

「9割の外科医は、縫合すればそこで仕事は終わりだと思っている。」

「オペをすると決まった瞬間から、勝算のあることが絶対条件なのだ。」

患者のQOLを上げるための手術。手術が成功しても、患者が亡くなったら恥とも言っている。‥‥‥出会ってみたい。

 

 

洗濯もの、取りにきて!

スマホの着信が、母の入院中の病院。

ドキッとしつつ、今は夕方だから、何かの催促?

母は、人工肛門造設術を受け、身体障害者の認定を受けた。

ストマ装具は、必需品。

 

ストマ装具の追加購入か、

それに必要なビニル手袋や泡の出る石鹸等の購入依頼?

入院費の請求書の送付先確認?

退院日が決定?

 

「お母さんが、カーディガンを2枚洗濯してきてほしいそうです。」

‥‥‥はぁ~~~~?‥‥‥

帰宅して、10日も経っていない!

今生の別れをして、手を握った母。

元気になれば、早速娘を雑用に呼び出す。(車で片道6時間余)

着替えのカーディガンを4枚渡してあるし、半纏も渡したはず。

「大丈夫です。着替えが不足する前に、そちらに伺えます。」と。

 

電話を頂いたついでに

「介護認定が、要介護5でしたが、まだ寝たきりでしょうか?」

「いえ、あれからずいぶんと回復されて、

リハビリも頑張っていらっしゃるので、動けます。」

「ええ~~でも、要介護5でいいんでしょうか?」

「認定されたので、いいと思います。」

‥‥‥それって、病院も早い段階で、施設に送り出したい思惑と重なっているのだろうか?‥‥‥

 

「自力で、立ち上がれますか?」

「捕まるものがあれが、立ち上がっています。」

「歩行の補助器具があれば、歩けるってことでしょうか?」

「リハビリで、歩いているようですが、2カ月も寝たきり状態でしたから、立ち上がってもすぐに疲れるので、そうそう何度も立つことは出来ません。」

 

帰りたい一心?  頑張れば元通りに動くはずと考えて? 

自分は頑張り屋なんだとの意地?‥‥‥母は何くそ~精神がやたらと強い。

 

施設の方が面接に見え、病院側からの病状説明もされたが‥‥

如何せん!

施設で新型コロナウイルスの感染者が1名出たことで、受け入れに多少の時間がかかるらしい。

 

いずれにせよ、母の施設入所のわたしの「罪悪感」は、ブログのお陰で励まされ、

日々薄れていく。お互いに、穏やかな日々を送りたい。

もう、笑いしかない

子供が巣立ってから、自分時間で生活が出来る。

就寝は‥‥‥22時前。

帰省介護後の帰宅時は‥‥‥( ´艸`)‥‥‥20時過ぎには就寝。

 

困るのは、面白そうなTV番組が見られない。

十年以上前にTVが壊れた。息子が受験生という事もあり、娘がTVをほとんど見ない事もあり、そこからTV無し生活が5年以上続いた。

ニュースくらい見ようかなと購入したのは、20インチ? 録画機能もない! 

朝と夕方のニュースを見て、お天気を確認する位。

 

ドラマは、気にしていなかった。

たまたま見たいドラマが、夜の十時からと知り、TVer の存在を知り、愛用中。

これなら、田舎でも、都会の番組が楽しめる。

見つけたのは「帰らないおじさん」

帰れない訳じゃなく、帰らずに寄り道を楽しんでいる。

 

人生の先が見えて、夢とか希望とかはどこかに置き忘れ、

身体のあちこちに不具合が出始めて、日々の生活に不満じゃないけど、

物足りなさを埋めるかのように、他愛ない事に一生懸命になる三人のおじさん。

 

ひたすら笑わせてくれる。

思わず声をあげて笑っているわたしが居る。

子供時代の時代背景画だぶって、それそれと、笑える。

違っていても、同じ時代に何をしていたかなと、今から離れて、笑いの世界へ。

 

久し振りに笑わせてくれる番組に、ホッとした。

笑いたくて、お笑い番組を見ても、面白くない。

とうとう老化で、感情さえ表現できなくなったのかと、気に掛かっていた。

 

身体が楽になる。

(ちなみに夫は、わたしのTVの2.5倍の大画面をほぼ一日中堪能。)

 

秋になると、落ち葉をガサガサと鳴らしては笑いあい、枯れ藪をこいで、服に藪がらや種をくっつけては笑いあっていた時を、思いださせてくれたドラマでもある。

 

努力は必ず報われる

それを信じるほど若くはない

 

だけど、諦めたら

絶対に報われない事だけは

肝に銘じて生きている‥‥‥TVの字幕より

 

そして、現実もわきまえている姿に共感。

一気読み

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山下紘加著‥‥‥「あくてい」

 

あくてい‥‥‥悪態、と気づき、どんな悪態が繰り広げられるのか?

しかも、著者はわたしの子供世代。

 

一気読みになってしまった。アラ還のわたしの眼には、宜しくない。

何につく悪態か?親?友人?社会?

モヤモヤは、全般に及ぶ。

 

一気に読んでしまったのは、内容のスピード感もあるが‥‥‥

主人公の90歳の祖母を、介護する母親。

今のわたしの状況に類似していた。

 

90歳は、まさにこんな感じ!

ー  勝ち気でプライドが高いくせに、卑屈なばばあは、自分が無知で無学で無教養なことを、社会や環境のせいにして生きてきた。ー(本文より)

わたしの母と、一緒!

わたしの母の場合、自分を卑下しつつ相手にその否定を求める。

自分の不幸は全て戦争と夫(わたしの父)のせいにしている。

 

この祖母は、母親の母親ではなく、離婚した父親の母親。

姑が息子と離婚した女性に心を許し(?)甘え切って(?)同居し、崩れていく。

ばばあと叫ぶのは主人公の心の中だけで、「あくてい」をつきながら、

祖母に向かって叫ばれることは無い。

彼女の優しさも、正義も、もやもやもの現実の中で「あくてい」が必須に思えてくる。

 

祖母と孫の「あくてい」のキャッチボールが、決して真っ黒ではなく、

”愛情” が存在することも、うかがわせる。

 

わかる。わたしも、91歳の母のうざったさあったかさ感じる。

母も感じている実感がある。

そして、見えていないようで、終わりは来る。

秋が饗宴中

久し振りに外に出かけたら、
信州は、秋が饗宴中  ♬

 

 

 

燃えるような赤と、輝く黄色と、快晴の青空が

文句なく、気持ちよくて、前を向いて歩ける。

 

これから、うら寂しい景色に変化していく様‥‥( ´艸`)‥‥‥♡

冷たい雨も、木枯らしも、ざわざわの夏から暫く離れられるから、落ち着く。

暑さも苦手だけど、寒さのも好きなわけじゃない。

 

今の季節、しっくりくるのは、人生も晩秋ってことか?

‥‥‥( ´艸`)‥‥‥

じっくり味わおう。

91歳母の介護認定に、仰天

91歳母、11月のサポート記録(2)

母の、介護認定の結果の連絡を受けた。

「お母様は、介護度が最高の要介護でした。」

(;゚Д゚)ええ~~ 

介護度2か3か‥‥‥と危惧していた。

 

歩行や両足での立体保持がほとんど出来ない。

食事や排せつが出来ないなど日常生活のほとんどを、介護を必要とする状態。

意志の伝達がほとんどできない場合が多い。‥‥‥と認識している。

 

2週間前に会った時の母は、かなり見栄を張っていた?

 

あの時母は、車いすだった。

「夢をみたんだて。この病院の男のしょ(人)と女のしょ(人)が二人立ってて、

前の方で、死んだ人が裸にされて、積み上げられて、油(灯油?)をかけられて燃やしてるんだが。」

‥‥‥う~~髪の毛や灯油や、燃える油の臭いを想像してしまう‥‥‥

「あ~~次はおれの番だなぁと思ったら、目が覚めたて。」

母の夢は、危険な手術後だったのか、その後の急変後だったのか?

「死」を意識して、覚悟もしたからか?

 

なのに

「財布に1000円しかねえんだもん。売店で、着替えのカーディガンを買おうとしても

買わんねえで、切ねかったて。」

思わず、1万円札を渡した。

 

(。´・ω・)ん? 一人で売店に行った?‥‥‥この言葉で、わたしは勘違い。

売店で買い物をしたのは、母が昨年入院した時。

今回、立ち上がることも出来なければ、自力で車いすに移動できない。

 

「寝返り、出来るようになった?」

「してるこてねぇ。看護師が来て  "○○さん寝返り打ちましょう。”

って言って来るから合わせてやってるこて。

「そうなんだ、よかったね。」

ここでも、わたしは勘違い。寝返りは補助を必要としていた。

 

母なりの強がり。そして、彼女は、自分が立ち直ると思い込んでいる。

今迄の頑張りで、昨年末の入院からの復活もあって、動けると信じている。

 

91歳で、骨粗しょう症もある。大きな手術2回。ほぼ寝たきり入院が2カ月。

体重減少に伴う筋力低下。

担当医の言葉は、

「回復しても、ほぼ寝たきり。良くて車椅子でしょう。」

それ以上の回復は、見込めない。

 

現実を受け入れるまで。

「ランチ酒」

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お酒をこよなく愛するわたしにとって、

読まなければならない本と確信して手に取った。

 

なにも、毎日昼からお酒を頂いているわけじゃない。

「アル中予備軍」かもしれないが(多分そう!)まだ「アル中」じゃない。

 

特別な「ランチ」には、「ランチ」を盛り上げて幸せ感を倍増させてくれるお供は必要で、決して酔うためでなく、「ランチ」も「お酒」も美味しく頂くため。

還暦過ぎたら、あと何回の楽しい美味しい時間を享受できるか?

「ランチ」も、重要!‥‥( ´艸`)‥‥‥

 

原田ひ香著‥‥‥「ランチ酒」

もうひたすら美味しい。読んでいて、こんなに美味しい本は初めて。

食べ物の感想表現がことのほか豊かなので、

わたしの脳は、

今まさにわたしが受け取って感じた美味しさを口にしていると勘違いしていく。

 

わたしにとって、多すぎる~~と感じた量は、なんと!!!!

満腹感すら感じる。重たくて、読み進められないなぁ~~~と。

が‥‥‥食べているだけじゃない。

主人公の人間模様や、人生における失敗ごとがちりばめられて、

そこそこ消化のお手伝いをしてくれる。

 

彼女の人柄ゆえに、結婚は離婚に。

それでも、支える仲間や出会いの展開が、ほっこり。

 

美味しいものの力は偉大。美味しい酒の力も偉大。

美味しい時間を作っていたら、なんとか人生を乗り切れそう。

 

それ、わたしがこれまで生きて学んだことだなぁと、ほくそ笑んだ。