老夫婦が施設入所して、7ヶ月目。
ジタバタしていた夫は、すっかり落ち着いた。
介護士や看護師が、体調を気遣って声がけ。
施設の生活環境にもなれて、体調は相変わらず優れないが・・・
穏やかに時間は流れる。
妻は、自身の体調が徐々に悪化している事を感じている。
痛みは常に襲う。尿意が付きまとう。
何もする気が起こらないが、不安がずっとはびこる。
不安が時に恐怖を呼ぶ。
そして、夫を支えてきたはずの自分、生活を仕切っていたはずの自分が
何も出来ず・・・他人の世話になっている現状・・・
・・・被害妄想・・・
身近な介護士の些細なミスから、彼女にターゲット!
ののしる、詰め寄る、訴える!!
施設の職員は、即座に対応。
保証人を交え、現状の把握と今後の対応を相談。
ベテラン介護士の主任が動いた。
妻に寄り添う。話を聞き続ける。
依然お世話になった、地域包括センターのケアマネにも相談。
妻の存在を、大きく包み込む。
彼女の表情が、柔らかく解きほぐされてきた。