今野 敏著‥‥‥秋麗
著者の世代がわたしよりも少し上。
この少しが、違和感を産む。
警察社会だから、昼夜厭わず事件に邁進してほしい思いはある。
著者も、あの「24時間働けますか?」の時代に生きた人。
心身の健康に配慮しながらと、どっちがいいのかは‥‥‥実は分からなくなる。
結婚しなければ、わたし自身仕事に邁進し、今があったとは思えないから。
子供を授かったとき、守り続けようと身体の底から沸き起こる母性が、わたしに変化をもたらしたことを覚えている。
そこはさておき、事件は思いもよらない場面から殺人にさえ発展する。
性善説派は、違うなと感じるのも、一定数存在するサイコパスと思わせる人物。
人生100年時代と謳われる昨今、高齢期をどう生き抜くか?
新たな視点からの事件が、癖のある筆致で描かれる。
独特な文体を肌で感じながら、時々この著者の作品を手に取っている。
ちょっと違和感を感じつつ、気になる。
昭和の泥臭さまでも漂ってくる気がする。
わたしが感じるノスタルジックと、推理小説を併せ持つ作品は、時折手にしたくなる。
読書で秋の夜長を楽しめるなら、極上の日々と言えるのだが‥‥‥
常に、92歳の母の様態が気に掛かる。