柚月 裕子 著‥‥‥「風に立つ」
読みながら、「盤上の向日葵」を思い出した。
どちらも、著者のミステリーの世界とはまるで異なる。
話が外れてしまった。
今回のサポート帰省では、この本に救われた。
主人公が父親を強い人と言われて‥‥‥?
「どうすれば、そんなに強くなれるんでしょう」と問うと、
「強くなるために必要なものはわかります」と言われる。
主人公は、その必要なものを
「忍耐、負けん気、信念でしょうか」と‥‥‥‥
それを肯定しつつ、
「たとえば怒り、たとえば嘆き、たとえば悔恨ーー
それらをすべて受け止められた時、人は強くなれるように思います」
ハッとした!!!!!
92歳の母の病室は、4人部屋。
母世代の超高齢者は、みんな我慢強いと思っていた。
面会中‥‥‥( ,,`・ω・´)ンンン?‥‥‥母と会話していると‥‥‥
「いてえ~~いてぇ~~いてぇ~~」と訴え続ける声。
「呼んでやりな。」と母。
看護士を呼ぶと、
今処置して薬を飲んだばかりだからもう少し我慢してくださいねと‥‥‥‥
その隣では、時間差で面会にみえたご家族に、
夜に眠れない、胸が苦しい、辛くてたまらんと繰り返し訴え続ける‥‥‥
その症状、母と一緒!
「苦しくなると、すっごく辛いでしょ⁈」
「そうだの。」と、しれ~~~と応える。
忍耐、負けん気、信念に加えて、
母の怒りや嘆き、悔恨の経験値はかなり高い!
すでに他界した父は、酒好きで働くことを嫌い、気が弱くて傲慢。
生活全般を支えてきたのは母だ。
父は、夫や父親以前に、人として失格だった事、
父の親類縁者の冷酷さを怒り嘆き、悔しがったこととか!
‥‥‥わたしはずっと聞かされてきたが‥‥‥‥
子どもを支え、淡々と頑張り続けた。
全てを受け入れて、父を介護し看取った。
あらためて、目の前の母の強さを実感した。
気が強いとか気丈とか、負のイメージが払しょくされた。
この本からの気付きは、目から鱗。