90歳母、6月のサポート記録(3)
「デイサービスで、風呂に入るときは、他のもん(人)は、下着なんかの着替えの手伝いしてもらってるけどさ。おれは、自分でやってたこて。」
「・・・・」
「入院して、退院した後、やっとデイサービスに行かれるようになって、風呂入ったら、おれの着替えのカゴン中が、ごちゃ混ぜにしてあってさ。」
「おれは、風呂から上がったら、すぐに着られるように、ズボンもズボン下も、三分丈のズボン下もパンツも重ねてっこて。」‥‥それもどうかと思うが‥‥‥
「・・・・」
「それが、全部ばらしてあったて!出かけるときだけ、あのあれ使うこてね。」
「尿漏れパッド?」
「そうそれだ。それまで見られて。まぁ!馬鹿にしてっこてのう。」
「今まで、そんがん事されたことねかったがんに、やだて。」
「その次ん時、今日は風呂に入らん言ったこて。」
延々と、母の ”馬鹿にしてっこて!” 話が続く。
母にとって、下の世話は最も恥ずべきことらしい。
‥‥‥当然と言えば、当然。が、90歳!‥‥‥
「そりゃ、切なかったね。」
「ただね、90歳の年寄りが3週間も入院してきて、退院後も2ヶ月近くデイサービスを休んだから、かなり手助けが居ると思ったんだよ。」
「だたって、おれは頑張って、リハビリしたし!」
「そうだよね、ホントによく頑張って動けるようになって、わたしだけじゃなくて看護師さんもケアマネさんも、みんな驚いていたからね。」
「そうだこて。大変だったこてね。」
「でもね、普通に、一般的に考えたら、90歳の人が3週間も入院したら、動けなくなるって思うんだよ。」
「おれは動いているねっかね。」
90歳の高齢者に介護士が当然とった行動が、母のプライドを傷つけて、わたしに話しながら高揚してくる。
‥‥‥‥全身を映す鏡見たら?背中丸いし、腰も曲がって、動いているけどヨチヨチ歩き。その姿に接したら、誰でもが普通に相手は出来ないと思うんだよ!耳も遠くなってきているし、眼も見えにくいって言ってるでしょ。あれ、それが多い会話だし!‥‥‥‥は、わたしの心のつぶやき。
最後に一言。
「お前になんか、しゃべらんきゃ良かったて。」
翌日、わたしがはおはようと言っても無視。‥‥‥( ´艸`)‥‥‥
1日中、むっつり。‥‥‥食事はする‥‥‥( ´艸`)‥‥‥
母が何に怒ろうが、共感は止めた。
アラ還のわたしは、 自分自身を ”老人” と受け入れているつもり。
時代に乗り遅れている実感は随分前から。
「まだまだ若いもんには‥‥‥」は、無い。
すでに完敗。というより、自分の世界を生きているかな?
意地を張ることをやめたら、もっと楽になると受け入れられない人。
それが母なら、まぁしょうがない。