二人目の息子を出産後、娘も加えてわたし達3人は、姑と同居。
夫抜きの同居が8カ月ほど続いた。(夫はアフリカ単身赴任中)
教えを請うた訳でも、押し付けられることもなく、記憶に残った。
義母の料理は、地元の食材に根差していた。
庭で畑を耕し、常に青物(葉物野菜)を欠かすことなく、季節の野菜を常備。
土地柄として、柑橘類が庭中にあった。
夏ミカン・甘夏・柚子・橙・普通のミカン‥‥
酸っぱい夏ミカンが大好きで、畑は‥‥‥パラダイス!
小腹が空いたら、夏ミカン類が、常に口に出来た。
柚子を贅沢にジャムにすること。種を煮込んでペクチンを利用する事。
柚子味噌も、湯豆腐に優しかった。
煮物や汁物に、ゆずの皮で風味を加える。
橙を絞って、お醤油を垂らすと、鍋料理のポン酢になる。
食事の最後に、橙を一口分絞って飲む。‥‥‥消化を助ける!
地味に暮らしながら、豊かな食生活だった。
柑橘類の健康効果は、この地を離れて気づく。
艶やかな色は、気持ちが救われ、晴れやかに。
香りが、気分を上げる。
酸味が、すっきりと‥‥‥( ´艸`)‥‥
新鮮な柑橘類は、物価高騰のおり、手に入りにくい。
庭の大根の知識も得た。
そう! 柑橘類が手に入りにくければ、消化を助けるのは大根だ!
義母は、橙と共に、大根おろしも欠かさなかった。
わたしはいちいち、義母に「なぜなぜ?」を連発していた ( ´艸`)
義母の毎食の橙と大根おろしもしかり。
年齢と共に、胃腸の働きが悪い季節、
義母の知恵を記憶の底から引き出してほくそ笑む。
「あなたも年を取れば、わかりますよ。」の言葉。
100歳で天寿を全うした義母が他界して8年。間もなく命日が来る。