白石 一文 著‥‥‥「翼」
‥‥‥「ここは私たちのいない場所」
著者の描く世界観が、今まで読んだ本の中には無かった。
刺さる言葉が所々にちりばめられて‥‥‥( ,,`・ω・´)ンンン?
そういえば、不思議な感覚の本を昨年の秋に読んだなと思い出す。
同じ著者で、納得。
メメントモリなる単語が浮かぶ。
核家族化して、「死」は遠ざかるばかりの今。
必ず訪れるその時を、日常は意識することがない。
92歳の母が、終末期と言われながら、実感がわかない事も事実。
まして、自分は?
著書の中で、人は死ぬ間際でも
「自分が死ぬのかどうか判断がつかないまま本当に死んじまうんだよ。」
と言わせている。
終末期の(本人には伝えていない)母でも、症状の苦しさから解放されると、
茹で玉子が食べたいとかファミマのたい焼きが食べたいとか、
また裁縫を頑張ってやりたくなったて!と言い出す始末‥‥‥(⊙_⊙;)
母自身がもうすぐ死ぬんだろうと思いながら、( ,,`・ω・´)ンンン?って感じ。
死んだらゼロになるというのも、同感。
その人を知っている人も死んで、初めて完全に死んだことになるのも同感。
ただ、親しい人が亡くなると、その人との共通の思い出が無くなるから、
その分だけ自分も無くなる(亡くなる)感覚は、初めて知る。
なるほど、親しい人が亡くなった後は想い出が "リフレイン" される。
お互いだけの想い出が、無くなることが辛いからだろうか?
著者による ”石川ワールド” は、初めて味わう世界観。
この世界、ちょっと入り込んでみようかと思う。