「山と本があれば生きていける」
なんて、入社早々の30数年前の社報に載せたら、社内の山好き中高年のお仲間になっていた。
どんな本読むの?のお声がけももっぱら中高年だった。
といえるのは、若かったから。
初めての登山は中二のとき。地元の1000メートル足らずの山。が、海抜ゼロからでアプローチが徒歩1時間はかかるので、1日がかりでそれなりの達成感。快晴で、心地よい汗を流し、何よりも跳び箱や鉄棒とはまったく違う。だから好きになった。
高校も山岳部。社会人になって、2年目くらいに地域の山岳会に席を置いた。
20代前半から60代(?)まで、いろいろな職業の方たちと金曜の夜に集合しては、近隣や伊豆半島(岩登り)、中央アルプスへは雪上訓練と称して、初冬の雪山に。じつは仕事が、夜遅かったり朝が早かったりのうえに、一人暮らし。時間に追われながらの参加で、結構足手まといな存在だった。
夜集合で、夕飯をみんなに頂くのはいつものこと。冬山にアイゼンを忘れ現地で「帰れ!」なんて言われた事も。雪が深くて、寒くて泣きながら登ったことも。
それでも、みんな口が悪いだけで、あったかかった。
こんな思い出だけなら、今も山に登っていたかもしれない。
今日も澄み切った青空に雪を頂、冷たくそびえる北岳。山の大先輩が大晦日に、この山で雪崩にあい、亡くなった。しばらくは、山を見るたびにあふれるものがあった。
30年以上経過して、久しぶりに2~3時間コースを体験し、別の意味で「山と本・・・」とは言えなくなっていた。下りに駆け下りているうちに、膝に違和感!! これは、かなり驚いた!!
懲りずに2回チャレンジしてようやく自分の老化を自覚。
「酒と本があれば生きていける」に変更する。
雪山で飲んだ白ワイン、良かったし。 続