前回の「絶対聖域」が印象深かったので、
香納 諒一 著‥‥‥‥「砂時計」
警察関係のミステリー小説を好んで手に取るが、著者によって、これほどまでに?
と驚くような表現の違いが、それぞれの著者の世界を展開する。
得意分野の細やかな表現と、独特な節回しは、ときに違和感を抱く "癖の強さ"、
個性の "あく"の強さ” だったりして、
その著者にハマるきっかけと離れる理由になる。
香納 諒一氏の場合、癖を感じない!
爽やかに流れるような展開が、さらさらと心地いい。
内容は、複雑に絡み合い、人間模様はドロドロしているけれど、スルスルと
舞台に引き込まれていく。
ここでも、ごく普通に生活していたはずの夫婦が、否応も無く犯罪に巻き込まれていく。守る人が居る時、人は悪人にもなり、殺人も犯す。
産まれながらの、”サイコパス” も存在し、人間模様の複雑さに‥‥‥唸る。
唸りながら、母の事でモヤモヤと堂々巡りをしながら落ちていく心を
とどまらせてくれる‥‥‥複雑なミステリーはやっぱりわたしを救ってくれる。
読書って、素晴らしい!!!!‥‥‥感謝しかない。