昭和の最期の日、わたしとダンナ君は出会った。
しかも、皇居がよく見える(カーテンが下ろされていたが。)帝国ホテルのレストランだった。
友人を交えて、明日から平成になる事を話題としながら・・・
(その平成から人生が大きく変わってしまった・・・)
一緒にアフリカ行きましょう!
近近仕事でアフリカに行くので一緒に行きましょうと彼。ちょうど、転職するために退職したばかりのわたしは、高校生のころからあこがれていたアフリカに、思わず歓声を上げた。が、往復したら退職金がすべてなくなるなあと。これ、結婚申し込みだった!
貯金いくらある?
付き合い始め、ついでに結婚も決めたばかり(多分)頃に、だから、出会って早々という事にもなる頃だ。貯金額をいきなり聞かれ、「?????」自分の貯金額が把握できていないことにも驚いたが、わたしごときの貯金に期待しているのか?「なんで?」「その年まで育ててもらったご両親に全部あげて、裸で来てほしいなと思って。」これ、決定打だった。
それってわがままなの?あまえなの?
彼が買い物ついでに、何か必要なものあるかと聞いてきたので、チョコレートをリクエストすると、「それってわがままなの、あまえなの?」「あまえならいいよ」まったく理解できずに、固まっていた。どっちだろかと、事あるたびに思い出しては答えが出ないまま。十数年過ぎてようやく気づいた。冗談だった。
もう終わりだな。
他愛のない喧嘩がこじれて、長期戦になったときにぽつりと彼が言った。とっくに終わってますけどと、心のうちで言い返したわたし。あれから十数年、彼はとっくに忘れていた。
3年前に姑を彼自身で看取り、後かた付けを手伝っているときに「傍に居てくれるだけでいい」その言葉も忘れている。結婚30年目に入り、半分近く別居だが、時間がたつことで、共通の経験を重ねることで、分かり合えつながっている。 続